2013年09月23日

春河35『文豪ストレイドッグス(2)』

〈2013年漫画感想8冊目〉
春河35 文豪ストレイドッグス(2)


 文学史上に燦然と輝く文豪たちによる異能力戦闘アクション漫画。迂闊に歴史に名前を残すととんでもない扱いを受けるということが良く分かります。何しろ,中島敦はその能力「月下獣」によって虎に変身し,太宰治は他の能力を無効化する「人間失格」を駆使し,国木田独歩は「独歩吟客」により手帳に書いたものを具現化し,現段階では彼らに敵対する芥川龍之介は外套を全てを切り裂く黒獣と化す「羅生門」を操るのですから,只事ではありません。とは言え,この悪辣な設定が実に楽しい作品に仕上がっております。自分のお気に入りはあらゆる外傷を治癒する代わりに一度は瀕死の状態に追い込まないといけない「君死給勿」を使う与謝野晶子。或いは実際のところは異能力ではないにも関わらず常人離れした推理力「超推理」を駆使する江戸川乱歩でしょうか。芥川龍之介の配下である樋口一葉も好みなのだけれど現段階では能力は未知数。酷い目に遭っている印象しかありません。また,泉鏡花が可憐な少女というのもやや疑問。尤も,女装しているだけかもしれませんけれども。最新巻である2巻末では太宰治が芥川龍之介によって捕らわれたところまで。福沢諭吉率いる武装探偵社と芥川龍之介が所属するポートマフィアとの戦いは更に苛烈になるでしょう。未だに能力の発動がない宮沢賢治や福沢諭吉らも楽しみですし,今後如何なる文豪が参戦するのか期待したいところであります。「檸檬爆弾」を使う爆弾魔の梶井基次郎など扱いが酷い人物も含めて外連味に溢れすぎており,実に好みです。
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posted by 森山 樹 at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想

月刊@バンチ2013年10月号感想

〈海のクレイドル〉
 新連載。産業革命期のイギリスを舞台とした海洋浪漫というだけで既に魅力的。死亡したとされる主人を探し求めて,その遺児エヴァンとともに旅に出る少女モニカが主人公となります。エヴァンを誘拐同然に攫ったモニカの前に姿を見せた巨大な帆船が鍵となるのかな。今後に注目したいと思います。

〈軍靴のバルツァー〉
 ニールセン大尉率いる騎兵部隊を退けたバルツァーの前に現れた女性記者アンネリーゼ。7年前にバルツァーとリープクネヒトの進む道を別ったあの事件の現場にアンネリーゼがいたというのが面白い。その事件の陰でリープクネヒトに繋がっていたのが現在のヴァイセン陸軍参謀総長というのがあまりにも不穏です。巨大な陰謀の策動を感じます。ホルベックとの停戦で物語は新たな舞台に移る模様。今後が楽しみでなりません。

〈ウロボロス〉
 日比野監察官と取引する為に美月を誘拐した那智。しかし,ふたりの乗った自動車を公安が執拗に追撃します。基さんを殺害したと思われる赤鼻の男が非常に不気味。那智が語る「まほろば」の実情も胡乱そのもの。錯綜する物語は遂に核心へと至ろうとしているのでしょうか。そして,金時計の男の正体は本当に日比野監察官なのか。いよいよ終盤に差し掛かった感がありますね。

〈生き神のファティマ〉
 シャウエンの民を救う為にファティマを連れ戻すことを命じられたウターリド。彼に同行するセイフとスヤのふたりが意外に魅力的。無口なセイフとドジ娘のスヤの組み合わせが良いです。一方そのファティマは呪術医ハンバルの捕らわれの身に。エイリークの動向も気になります。登場人物が増えて楽しくなってまいりました。

〈エリア51〉
 ギリシア神話の元主神ゼウスと北欧神話の主神オーディンによる一騎打ちが熱い。円卓の上で死ぬまで戦うという円卓ルールがたまらないです。とにかくゼウスが格好いいんだもんなあ。見かけはバーコード頭の冴えない中年なのに。兄ハーデスが残したサングラスをかけるところなんてたまりません。一方で最初の蛇に心惑わされるマッコイを絶望が侵食されます。そこに駆け付けた王子が素敵。反撃となるのかどうか。
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posted by 森山 樹 at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌感想