2013年12月10日

手代木史織『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝(9)』

〈2013年漫画感想27冊目〉
手代木史織『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝(9)』


 『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話』で印象深い活躍をした黄金聖闘士ひとりひとりに焦点を当てる外伝シリーズの第9巻。今巻で取り上げられるのは牡牛座のアルデバランことハスガードですが,そのハスガードの弟子であり次代の牡牛座の黄金聖闘士となったテネオの物語が描かれるのも特徴的であります。舞台は前聖戦の8年前と6年後。ハスガードとテネオのシチリア島エトナ山での巨人族エンケラドスとの戦いが主軸となります。ハスガードの戦いはテネオと共に後に弟子となったセリンサとの出逢いが描かれるのが面白い。幼き日のセリンサも長じて大人となったセリンサもいずれも魅力的でありました。また,ハスガードが牡牛座α星の名前“アルデバラン”を名乗る契機が非常に興味深いです。クレタ島にてセリンサたち孤児を守ってきた心優しき青銅人形コル・タウリとの交流が如何にもハスガードらしくて素敵。『聖闘士星矢』におけるアルデバランも同様でありますが,代々牡牛座の黄金聖闘士はその強さと同時に優しさを受け継いでいるのだなあと実感します。まだ未熟ではありますが,いずれはテネオも彼らに肩を並べる存在となるのでありましょう。また,コル・タウリを作ったのはダイダロスであり,コル・タウリが守っていたのはエウロパというギリシア神話を活かした設定も素敵。ハスガードとコル・タウリ,或いは後にテネオが対峙するエンケラドスもギリシア神話における神々の最大の敵である巨人族に属するものであります。このあたりは神話好きとしても楽しみました。本篇終了後の聖域が描かれるという意味においても満足のいく物語でありました。残すは後3人の黄金聖闘士だけというのが悲しいです。パンドラの外伝も描いてくれないものかなあ。
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posted by 森山 樹 at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想