2014年05月06日

和月伸宏『エンバーミング(8)』

〈2014年漫画感想8冊目〉
和月伸宏『エンバーミング(8)』

 1年以上の長期休載を経て久しぶりに刊行された『エンバーミング』の第8巻です。人造人間の聖地ポーラールートを舞台とした人造人間たちの戦いが描かれます。今巻の中心となるのはザ・ワンことジョン=ドゥとウンゲホイヤーとの究極の8体同士の激突。筋力機能特化型人造人間ウンゲホイヤーの圧倒的な膂力をも粉砕するジョン=ドゥの〈茨の十字〉の破壊力が素晴らしい。この戦いで人間としての意地を見せたワーグナーの存在感が光りました。彼の死があってこそ,瞬間的にザ・ワンの自我の発動となったのでありましょう。思えば,ザ・ワンの過去は未だに不明のまま。このあたりも今後の大きな焦点になってきそうであります。後半では愈々アシュヒトの父であるDr.リヒターが登場。また,死体卿が第8の究極の8体であることが明かされました。その本名はトート=シャッテン。如何なる機能が特化されているのかはまだ不明ですが,恐らくはDr.リヒター及びグロース・フランケンシュタインともども厄介な難敵となることは間違いありません。その死体卿を盲信するタイガーリリィ・コフィンは〈光速視線〉をもってジョン=ドゥと対峙。心酔する死体卿の為に立ちはだかる可憐な容姿がたまらなく好み。彼女の帰結は不幸なものであることを予感せざるを得ませんが,最後まで見届けたいものであります。そして,ジョン=ドゥさえも翻弄する彼女の〈光速視線〉を破ったアバーラインの奇策が楽しい。タイガーリリィとアバーラインの相性の悪さが微笑ましいです。物語は愈々最終幕へと近付いています。ポーラールートでの戦いが如何なる終焉を迎えるのか楽しみにしています。今巻では全く出番がなかったヒューリーとピーベリーの再登場にも大いに期待をしたいもの。アシュヒトとエルムの決着もまだついていません。次巻はもう少し間を置かずに刊行されることを願っています。
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posted by 森山 樹 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想