2014年05月08日

椎名高志『絶対可憐チルドレン(38)』

〈2014年漫画感想9冊目〉
椎名高志『絶対可憐チルドレン(38)』

 中学生篇が最終幕へと差し掛かった『絶対可憐チルドレン』の第38巻です。表紙は何故かマッスル大鎌。今巻でも出番は少ないながらも印象的な働きを見せています。風体や言動はともかくとして,数少なく精神的に大人の人物なのですよね。今後もP.A.N.D.R.A.の中核としての活躍を期待します。物語は虚数空間から復帰を果たした兵部京介が中心となる〈リターン・オブ・ファントム〉の続き。黒い幽霊のギリアムとの戦いが主に描かれます。皆本や賢木らと共闘する兵部の姿がやはり嬉しい。三幹部との再会も印象深いものがあります。全篇に渡って戦いが続く為,ギャグ分は少なめ。また,ギリアムやユーリの過去に焦点が当てられているのも興味深い。特にギリアムが虚無的な思考に至った理由は結構辛いものがあります。黒い幽霊側の事情がまともに描かれるのはこれまで殆どなかったですからね。ギリアムの境遇には思わず同情してしまいますが,彼の所業そのものは決して許されるものではありません。一方でフェザーの物語も終焉が迫っています。未来から来た薫というその正体が遂に明かされ,来るべき未来を変化させる為に戦う彼女の姿が印象的。彼女を交えてのインフィニティ・ブーストは燃えますね。ユーリを取り戻すべく戦う未来の三人とともに現れたもうひとりの超能力者はやっぱり未来のユーリなのかな。そうすると物語の辻褄が微妙に合わないことになって来るのですけれど。このあたりは中学生篇の最終巻となるであろう次巻に期待したいと思います。連載は最終章である高校生篇の開始を夏に控えて現在は休止中。早期の連載再開を期待したいものです。今巻では全く出番がなかったカズラや澪,パティらの成長も楽しみにしています。
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posted by 森山 樹 at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想