2014年09月14日

森薫『シャーリー(2)』

〈2014年漫画感想20冊目〉
森薫『シャーリー(2)』


 約10年ぶりに刊行された英国エドワード朝メイド漫画の第2巻です。相変わらずのベネットさんとシャーリーの楽しそうな毎日が嬉しい。大きな起伏のある物語ではなく,日常を描いたお話を此処まで魅力的に提示するのは素晴らしいです。今回は全8篇が収録されていますが,特にお気に入りは「届け物」と「ハイヒール」かなあ。「届け物」はベネットさんの仕事場にシャーリーが財布を届けるお話。普段はずぼらでだらしないベネットさんの手際のいい仕事ぶりがたまらなく素敵です。シャーリーならずとも見惚れてしまうというもの。ベネットさん手作りのサンドウィッチとパイの魅力も格別なものがあります。「ハイヒール」は年頃の女の子らしく背伸びしたお洒落に憧れるシャーリーが実に可愛い。また,「お願い」では最終コマのシャーリーの夢の中で踊るふたりの姿がたまらなく微笑ましいものがありました。全般的に作者の趣味全開という感じではありますが,それがまた楽しいのが素敵です。描きたいことを描きたいように描いているのだなあということがよくわかります。それでいて,普遍的な面白さを有しているというのは稀有なことなのではないでしょうか。このふたりの優しくて穏やかな日々が続くことを祈らずにはいられません。今後もライフ・ワークとして不定期に少しずつ書いていくとのこと。続巻が刊行されるまでに幾らかかるか分かりませんが,気長に楽しみに待ちたいと思います。或いは時代が重なっている『エマ』との共演も見てみたいものであります。

タグ:森薫
posted by 森山 樹 at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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