2009年02月22日

皆川亮二『PEACEMAKER(3)』

〈2009年感想 8冊目〉
PEACE MAKER(3)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 630
  • 発売日: 2009/02/19

 架空の世界を舞台とした銃決闘活劇の第三巻目。今回は一巻全てが一つの物語で構成されています。銃士のみならず機関銃使いや傭兵,武士などが入り乱れる外連味に溢れた戦闘が大変魅力的です。
 今回の表紙はコニー・レヴィン。カイルやニコラ,ミクシーを差し置いての表紙抜擢が面白いです。

 サンドタルカスを後にしたホープたち一行はスカイタルカスに向かう途上で“深紅の処刑人”のひとりコニー・レヴィンに捕えられて大闘技都市イコノクラストへ。今回はほぼ全編がこの大闘技都市での生き残りを賭けた死闘が描かれます。基本的に一対一での決闘が主だった今までとは異なり不特定多数が相手というのは演出として面白いです。ただ,決闘における銃の技術の優劣よりも人外の能力戦が中心となってしまったのは,外連味に溢れており楽しくはあるのですが聊か残念にも思います。死闘の最中に都市全体を覆う程の殺気を放出する程に覚醒したホープとコニー,そしてまたビートも相手に圧倒的な圧力をかけられる能力に目覚めた模様。今後は異能戦が中心となっていくのでしょうか。それにしても,大闘技都市での戦いの結末は予想外でした。いい意味で酷すぎます。まあ,ホープとビートの決闘を起こさせない為にはこういう形が最適だったのでしょう。
 今巻で本格的に登場のコニー・レヴィンは非常に好みの女性です。何よりも散弾銃で早撃ちというのが心底格好いい。命を救ってくれたジェシカ・クリムゾンの恩義に報いる為に生きる彼女は今後重要な人物となりそうな感じがします。クリムゾンへの忠誠心とジェシカの娘ニコラへの想いのどちらが勝るかがその分岐点となるのでしょう。どちらの場合でも死は避けられない気もしますが,出来得るならばホープやビートとの共闘を見たいところです。そのコニーが離脱すれば“深紅の処刑人”で残るのはコールとハンスのみ。こちらも新たな人物が登場しそうな予感があります。一方で非戦闘員のミクシーやニコラ,カイルが戦闘に巻き込まれる展開はお気に入り。特にカイルが体を張ってホープを救う場面は格好良かった。彼の勇気がホープの覚醒を促したといっても良いのでしょう。ミクシーとニコラを助けた巨漢の傭兵デス・スリンガーことミーシャの存在も良かった。最後に誰かを護る為の戦いを,と散っていった彼の姿が印象的でした。彼の墓に決闘証書を供えるミクシーの姿が今巻の物語に爽やかな後味を残しているように思います。
 今後コニーは自分を騙したカシム一家への復讐を目論む模様。この物語がホープやニコラ一行と如何に絡んでくるのかが楽しみです。また,コニーの言葉から兄コールの健在を知らされたホープの動向も気にになるところ。物語の中心はジェシカ・クリムゾンとその遺児ニコラにあるだけに彼女らに隠された真相も大きな見どころとなりそうです。
 余談。続刊は秋頃刊行とのこと。待ちきれません。
posted by 森山 樹 at 22:34| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想
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