2013年09月21日

杉山小弥花『明治失業忍法帖(4)』

〈2013年漫画感想6冊目〉
杉山小弥花 明治失業忍法帖(4)


 明治時代初頭を舞台に大店の娘である菊乃と失職した元伊賀忍の清十郎との恋模様が描かれます。菊乃の世間知らずなじゃじゃ馬ぶりと清十郎の卑屈ながらも世慣れた雰囲気が絶妙にかみ合っていて非常に好み。明治という新時代の世相を物語に織り込みながら,最初は偽りであったふたりの関係が徐々に深まっていく様子が丁寧に語られます。突拍子もないことを言いだす菊乃に翻弄されながらも惹かれゆく清十郎が実に良い。最新である4巻末の自らの感情にとまどうふたりの姿が可愛いです。互いへの想いを自覚したふたりの変化が気になるところであります。また,菊乃に想いを寄せる元薩摩藩士の警官・槇や菊乃と同じ女学校に通う元会津藩出身の桃井さんなど脇を固める人物も魅力的。その出自から仇敵であった筈の槇と菊乃に妙な因縁が出来たのが楽しいです。ふたりが結ばれることは難しそうではありますけれども。また,政府転覆を目論む一派の桐生も再登場を期待したいもの。菊乃と清十郎,不器用なふたりが明治という激動の時代の中で確かな関係を育んでいく姿を今後も楽しみに見守りたいものです。まだまだ清十郎の隠す秘密或いは過去はありそうですけれども,幸せな結末へと辿りつくことを祈っています。勿論,槇や桃井さんたちの行く末も大いに気になるところです。
タグ:杉山小弥花
posted by 森山 樹 at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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