2013年09月29日

羽海野チカ『三月のライオン(9)』

〈2013年漫画感想11冊目〉
羽海野チカ 三月のライオン(9)


 ひなたの進学と宗谷名人に挑む土橋九段の名人戦が描かれる巻。特に宗谷名人と土橋九段の名人戦の緊張感がたまらない。それに立ち会う島田八段の感慨と嫉妬も素敵です。何よりも土橋九段の努力を評する藤本棋竜の言葉が最高に格好いいのです。あの人にとって最大限の賛辞といってよいのでありましょう。宗谷名人との対局の中で最果ての先にある新たな扉を見つけた土橋九段の姿が美しい。一緒に更なる扉の先を求めるふたりの好敵手としての関係にたまらないものを感じます。或いはこの関係が零と二海堂の行きつく先となって欲しいと願います。戦う相手であり,共に高め合う友というものは望んでも求め得ぬものでありましょうから。一方の中心であるひなたの進学を巡る物語は素直に微笑ましい。四国へと越境留学する高橋くんとの別れも経て成長していくひなたの姿が可愛いです。ちほちゃんの転校に端を発したいじめ問題は最終的な解決には至りませんでしたが,それは仕方がないところでもあるのでしょう。何はともあれ,零の在籍する駒橋高校へ入学したのは何よりのこと。新たな環境でのひなたと零の物語にも期待したいと思います。零やひなた,それに土橋九段を見守る家族の優しい視線も印象的。帯にある通りの「家族の第9巻」であると言えましょう。久しぶりに登場した松永七段と初登場の滑川七段の存在感も良かったです。作者が入院療養のために暫く連載は休止とのことですが,しっかり身体を休めて再開する時を心待ちにしたいと思います。
タグ:羽海野チカ
posted by 森山 樹 at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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