2013年11月10日

麻生みこと『海月と私(1)』

〈2013年漫画感想20冊目〉
麻生みこと『海月と私(1)』


 『路地恋花』『そこをなんとか』の麻生みことの新作。海沿いの辺鄙な旅館「とびうお荘」を舞台に寡黙な主人と分けあり風の美人仲居の物語が綴られます。如何にも麻生みことらしい雰囲気は健在。独特の間の取り方が非常に好み。何よりも美人仲居の梢さんがあまりにも魅力的であります。若くて綺麗な娘さんが好まぬであろう,住み込みでの旅館勤めを喜んでする姿が印象的。その背景は未だに謎に包まれておりますが,何やら事情があることは想像に難くありません。彼女の素性が物語のひとつの焦点となるのでありましょう。或いは「とびうお荘」の旦那との間に何らかの因縁があることも充分に考えられます。このあたりは今後の展開を楽しみにしたいところ。周囲の人間を上手く転がして事態を円満に導く手腕は天性のものなのかしら。明るく好奇心旺盛で機知に富んだ彼女は或る意味で理想の女性像と言っても過言ではないでしょう。麻生みこと作品に登場する女性らしい,湿っぽさのない性格は或いは演技なのかもしれませんけれども。いずれにせよ,彼女の存在が物語の中心に位置しております。また,舞台となる「とびうお荘」自体が旅館として魅力的。こんな旅館があれば是非とも行きたいものであります。因みに収録されている4話の中では第三話が一番好き。梢さんが吐いた嘘の真意がやや意味深に感じます。梢さんから旦那さんへの想いはまだ不明瞭。次巻以降が更に楽しみであります。
タグ:麻生みこと
posted by 森山 樹 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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