2014年02月23日

浅田京麻『文明開化とアンティーク(1)』

〈2014年漫画感想4冊目〉
浅田京麻『文明開化とアンティーク(1)』

 明治時代を舞台とした美術ミステリィ。どちらかというと人情ものの色合いが濃いような気もしますが,何はともあれ一話完結型の物語が綴られます。設定自体が既に好みということもあって,基本的には好感触。登場する男性陣が有能かつ性格も良く,美男子揃いというのはやや苦笑せざるを得ませんが,然程に目くじらを立てることもありますまい。貧乏士族の娘の結子と古美術店霧島堂の鑑定士ミハルが主人公となります。今巻には4話が収録。雪舟の掛け軸や酒井抱一の画,或いは仏像や根付といった美術品が物語の中心に位置するのが楽しいです。また,時代背景をきちんと織り込んでいるのも好印象。自分の借金を立て替えてくれた恩人でありながら,その性格ゆえにミハルに隔意を置いていた結子が徐々に彼に惹かれていくには王道と言えば王道かな。如何にも少女漫画の文法に則っているという感触はあります。ミハルの友人の蜜吾や馨らも定型ながら脇を固める存在としては悪くありません。とりあえず,この種の作品が好みであれば問題なく楽しめることかと思います。もう少し,独自性が欲しいところではありますけれども。ミハルの持つ思念を読み取る力を上手く使って欲しいもの。便利すぎるだけに多用して陳腐化することを危惧してしまいます。作者は学生時代に美術関係を学んでいたとのことで,そのあたりの細かい知識が反映されることに期待。尤も,自分が日本美術にそれ程明るくないのが難点ではあります。何はともあれ,今後の展開が大いに楽しみであります。割と強気な結子が結構好みなのは嬉しいですね。
タグ:浅田京麻
posted by 森山 樹 at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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